ブログ(森でみつけたよ!)
今年も会えたね
2015年6月10日
昨年見た花を今年も見ることが出来るのは、
うれしいことです。
これは昨年と同じ生育環境が維持されている
証で、大切なことだと思っています。
ナワシロイチゴを見たことはありますか?
ナワシロイチゴは以前はどこにでもある
クサイチゴでしたが、宅地化が進んだ昨今では、
生育場所が年々減っていて、寂しい限りです。
一方ドクダミは、いたるところで増えています。
ドクダミは地下茎を伸ばしてどんどん増えます。
たねも出来ますが、不稔性(次世代に子孫を
作れない)とのことです。
日本では雑草扱いですが、欧米では観賞用として
楽しむ人が多いそうです。
画像をクリックすると拡大します。
ナワシロイチゴ
苗代の頃花が咲きます。花びらは開くことはなく、
花が終わると果実が熟すまで、ガクは閉じます
(果実が未成熟な状態で、鳥や虫に食べられない
ための工夫?)。
ガクは完熟のころ再び開きます。
ナワシロイチゴの花です。右は
つぼみで左が開花した花です。
未熟な果実の状態です。
ガクは開花時と比べて下さい。
もうすぐ完熟になる果実です。
ガクはやがて開きます。
ドクダミの花
白い花びら状のものは、総苞片で、通常4枚
あります(まれに5枚や6枚のものもあります)。
花には花びらがなく、3本のおしべと、柱頭が
3裂しためしべが穂状にたくさんつきます。
園芸品種には、八重咲きのものもあります。
花の部分を拡大しました。
総苞片が5枚のドクダミです。
群生して咲いているところでは、
時々見かけます。
八重咲きのドクダミです。
Jun 10, 2015 03:49 PM
白い花とビールの泡
2015年5月24日
ビールがおいしい季節になりました。
黄金色の液体にふわふわの白い泡、
たまりませんねぇ~
ビールの泡は、どうして白いのでしょうか?
これは白い花の仕組みと同じ理屈なのです。
白い花には、赤や黄色の色素がなく、花びらに
含まれている空気の泡が、光に反射して白く
見えるのだそうです。
同じようにビールの泡も、光を乱反射するので
白く見えるのです。
白い花を愛でながら冷たいビールを飲むと、
夏が見えてきますよ。
画像をクリックすると拡大します。
ガマズミ
落葉樹で、葉は大きなものでは、長さ15センチ
にもなります。葉は大きいのに花は小さく、枝先に
白色の小花をたくさんつけます。
実(み)は10月頃赤くなり、熟すと食べられます。
ガマズミの花です
ガマズミの実です
ノイバラ
つる性の落葉樹です。枝にはたくさんの
トゲが下向きについています。
これは他の木などにトゲを引っ掛けて
成長するための、ノイバラの工夫です。
花は白い5弁花で、良い香りがします。
ノイバラは、園芸用のバラの接ぎ木の
台木として、利用されます。
ノイバラの花です
スイカズラ
つる性の半常緑植物です。
冬に残った葉は、寒さ対策として、葉を
内側に巻き込みます。
白い花が2個ずつ咲き、受粉が終わると、
花は黄色にかわります(別名キンギン花)。
昼間もハナアブ等の昆虫がやってきますが、
香りは夜の方が強く、蛾など夜に活動する
昆虫の訪花を待っているようです。
スイカズラの花です
スイカズラの冬の葉です
スイカズラの花粉を食べる
ホソヒラタアブです
May 24, 2015 05:06 PM
GWの白い花
2015年5月 6日
南野川ふれあいの森では、若葉があっという間に
濃い緑に変わりました。
森の緑の中では、白い花がよく目立ちます。
シャガ(アヤメ科)
日本のシャガは、たねが出来ませんが、根茎から
ほふく枝を伸ばして増えて行きます。
たねが出来ないのなら、虫を呼ぶ必要はないと
思われるのに、ハナアブの仲間がよく訪れます。
そしてそれらの昆虫をワカバグモなどが待ち構えて
いて、ここでも食うか食われるかの自然の厳しさを、
垣間見ることが出来ます(画像をクリックすると拡大
します)。
シャガとホソツリアブ
シャガとワカバグモ
その他の白い花と訪れた昆虫を紹介します。
ハルジオンとハナムグリ

ミズキの花とホソヒラタアブ
紅茶 de ブレイク
アオキオクレミ
新しい実が出来初めているのに、まだ昨年の
赤い実がたくさん残っています。
これらの実は、アオキオクレミと呼ばれ、
中にアオキミタマバエの幼虫が入っています。
May 6, 2015 10:31 AM
エライオソームを持つ植物
2015年4月24日
エライオソームとは、スミレ等の種子に
付着している白いぜりー状の物質で、
蟻の大好物です。
エライオソームのついた種子は、蟻が巣に
持ち帰ります。巣の中では、エライオソーム
だけが食べられ、種子は巣の外に捨てられ
ます。そこで種子は発芽するため、スミレ等は
「アリ散布植物」と呼ばれています。
日本には、エライオソームを持つ植物は、
約200種あるといわれ、南野川ふれあいの
森にもタチツボスミレ、アケビ、ヒメオドリコ
ソウ等、何種類かがあります。
画像をクリックすると拡大します。
タチツボスミレ
ヒメオドリコソウ
ホトケノザ
ムラサキケマン
アケビの雌花
紅茶 de ブレイク
ヤマブキソウです。この花も
エライオソームを持っています。
(東高根森林公園にて)
Apr 24, 2015 07:03 AM
出番ですよ(今年も活動開始)
2015年4月 8日
満開のヤマザクラ
3週間前に比べると、森全体の色が変って
きました。一面冬芽だらけだった雑木林は、
すっかり若葉色に衣替え。
枯れ草の目立った「野草の散策路」周辺も、
草いちごの花、花、花。
南野川ふれあいの森が、一年で最も華やかに
なる季節の到来です。
まだまだ寒暖の差が大きい日が続いてます。
それでも気温の上昇と共に、昆虫の動きも活発に
なり、テングチョウ、モンシロチョウ、アカハネムシ、
クロヒラタアブ、ビロードツリアブ等が、活動開始です。
画像をクリックすると拡大します。
ニホンカナヘビ
日本の固有種で、草むらや林縁で
見られます。尾が長く、全体の2/3を
占めます。主に昆虫やクモを食べます。
全長160~250ミリ。
アカハネムシ
オスは触角にギザギザがあります。
上翅は鮮やかな紅色で、よく目立ち
ます。
花の蜜や花粉を食べます。
体長12~17ミリ。
クロヒラタアブ
腹部は黒色で、3本のクリーム色の
帯があります。
花の蜜や花粉を食べます。
体長8~13ミリ
ビロードツリアブ
丸っぽい体に黄色に毛がたくさん生えて
います。ホバリングしながら長い口吻を
使って、花の蜜を吸います。
体長8~12ミリ。
紅茶 de ブレイク
草いちごの花
Apr 8, 2015 10:28 AM
春は忙しい!
2015年3月25日
南野川ふれあいの森では、タチツボスミレやシュンラン
早くも開花、ニワトコも大急ぎでつぼみになり、河津桜は
すでに葉桜、いたずら好きのカラスも巣作りの小枝集め。
巷でもピカピカの新入生、卒業生、そして新社会人、さらに
お疲れさまの新リタイア組、ファミレスや居酒屋はどこも
満員御礼。
皆さん何かと忙しい季節ですね。
今回は春を告げる森の花々の紹介です。
画像をクリックすると拡大します。
タチツボスミレ
最も普通に見られるスミレで、林縁や土手など
いたるところで見ることができます。
スミレの発祥の地は、南米アンデス地帯といわれて
おり、日本には約60種のスミレがあるそうです。
シュンラン
春に咲くランだからシュンラン。春先に咲く代表的な
野生のランです。ラン科は単子葉植物では、最も
種類が多い植物で、2万種以上あるといわれています。
ヒイラギナンテン
ホソヒラタアブなどの訪花昆虫により受粉します(他家
受粉)が、自家受粉もします。花糸をつつくと、おしべが
めしべにくっつく様子が見られます画像右)。
紅茶 de ブレイク
ギンヨウアカシア
森の入り口の農家の庭で、満開です。
Mar 25, 2015 02:20 PM
気持ちよかった~(*^_^*)
2015年3月 4日
3月4日今日の最高気温17度
南野川小に「はあも通信春号」をお届けした帰り道、森に立ち寄りました。
まだまだ森全体は、冬色ですが、
歩いてみると春がいっぱい!
ニワトコの花芽はブロッコリーのように膨らみ、
ウグイスカグラの花が咲き始め、
お社の森では、ヤブ椿の赤い花が見ごろです。



1日の雨の日には寒そうに咲いていたカワヅザクラも、今日はとっても元気でした。

帰り際、コゲラがドラミングしている音を聞きました。案外近くにいて、写真に収めることができました。

Mar 6, 2015 05:06 PM
冬芽にも個性あり!
2015年2月24日
冬芽とは、休眠状態で冬を越し、春の開花に
備える芽のことです。
冬芽には、冬の寒さから身を守るため、鱗(うろこ)を
幾重にもまとったものや、糖分を溜め込んだり、
毛皮のコートを着たもの等、様々なものがあります。
今回は、それらの中から、個性的な冬芽を紹介
します。画像をクリックすると拡大します。
ヌルデ→葉柄内芽(ようへいないが)
葉柄の基部が、さや状になっていて、冬芽を覆って
います。
画像右は、枝に残っている葉柄です。これが落下
すると、中から冬芽が現れます。
コナラ→頂生側芽(ちょうせいそくが)
てっぺんの芽の周りに、側芽が数個ついています。
春になるとこの側芽から、一斉に枝が出てきます。
エゴノキ→予備芽(よびが)、副芽ともいう。
メインの芽が鳥に食べられる等、被害にあった場合
のために、ピンチヒッターの芽を用意しています。
ゴンズイ→仮頂芽(かちょうが)
枝先に枯れた枝の跡がある場合、そこには
頂芽は出来ず、頂芽の役割を果たす2個の
仮頂芽が出来ます。
紅茶 de ブレイク
フクジュソウ
パラボラアンテナのような花弁を常に
太陽の方向に向けて広げます。
(東高根森林公園にて)
Feb 24, 2015 09:15 PM
真冬の森で見つけたもの
2015年2月 9日
真冬の南野川ふれあいの森は、何もない森の
ように見えます。
しかしそこにはいろいろな生き物たちが、じっと
春の来るのを待っています。
スッピンになったコナラやクヌギは、竹箒を逆さまに
して並べたように見えます。
今回は春を待つ虫こぶと、カマキリの卵鞘の紹介
です。
画像をクリックすると拡大します
冬の虫こぶ
虫こぶは、落葉樹にも常緑時にも見られます。
落葉樹に出来た虫こぶの中の幼虫などは、秋の
落葉と共に落下して、積もった落ち葉の中などで、
越冬します。
一方常緑樹に出来た虫こぶは、落下することなく、
虫こぶの中で卵や幼虫の状態で、越冬するものが
多いようです。
画像左はイヌツゲの虫コブです。
画像右は虫こぶをカットした中の様子です。
画像左はイノコズチの虫こぶです。
画像右は虫こぶをカットしたものです。
カマキリの卵鞘
カマキリの卵鞘には、200個くらいの卵が入って
いるそうです。
一匹のカマキリの親が、その生涯に10回産卵
すると、10回×200個で2000匹の子供が生まれる
計算になります。
その全部が成長すると、森はカマキリだらけに
なってしまいます。しかし実際にはそんなことは
ありません。
ほとんどの卵鞘は、鳥に食べられてしまいますし、
幼虫も鳥に狙われるからです。
オオカマキリの卵鞘です。
主な産卵場所は、ススキなどの草や低木の枝などです。
ハラビロカマキリの卵鞘です。
主な産卵場所は、低木のオオカマキリより
少し高い場所です。
右の画像は鳥の被害にあった卵鞘です。
最近はカマキリが減っています。環境の変化の
ためでしょうか?少し淋しい気がします。
紅茶 de ブレイク
ニワトコの芽吹き
フライングしましたね。
寒波がやってきますよ。どうするつもり?
Feb 9, 2015 08:11 PM
真冬の紅葉
2015年1月24日
カエデやコナラなどの落葉樹が、すっかり葉を
落とした真冬に、紅葉する植物があります。
それは一部の常緑樹や、半落葉樹に見られます。
これらは、落葉樹の紅葉と違って、離層による
栄養物の遮断が無いためか、真っ赤に紅葉する
葉はほとんどありません。
大部分の葉は、濃紫色や赤銅色に紅葉します。
そして春になって暖かくなってくると、再び緑色の
葉に戻ります。
南野川ふれあいの森で見られる、真冬に紅葉する
植物を紹介します。
下記の画像の他にも、ナンテン、アケビ、ヒイラギ
ナンテン、サツキやツツジの仲間等も紅葉します。
画像をクリックすると拡大します。
二枚とも、クサイチゴの紅葉です。
オレンジ色っぽいのや、紫系等があります。
スイカズラの紅葉です。
互生、全縁の葉です。葉脈は透けて
見えません。名前が判りません
ご存知の方は教えて下さい。
ノイバラの紅葉です。
紅茶 de ブレイク
サンゴジュの紅葉です。
森の近所の農家の生垣で見つけ
ました。
葉の中央脈(主脈)を残して切断
されています。
切断により、葉と茎との物質の
行き来が妨げられ、葉の上半分に
アントシアニンが作られ、紅葉します。
Feb 9, 2015 02:27 PM
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